変形性膝関節症の進行抑制に対するヒアルロン酸関節内注射の効果に関しては、主に前十字靭帯(ACL)切離モデルで報告されてきた。しかし、変形性膝関節症の発症要因のうち、半月板機能不全も重要と考えられることから、半月板部分切除モデルを用いてヒアルロン酸関節内注射の効果を検討した結果について、東京医科歯科大学大学院運動器外科学の柳澤克昭氏が10月17〜18日に開催された第28回日本整形外科学会基礎学術集会で報告した。

 柳澤氏らは10週齢のLewis系雄ラットの内側半月板前方1/2切除モデルを用い、生理食塩水の週1回注射群とヒアルロン酸製剤(商品名アルツ)の週1回注射群に分け、7回注射を行った。投与4週後、8週後に脛骨の採取を行い、骨組織の変化を検討した。

 骨組織像は、4週後にヒアルロン酸製剤群において、生理食塩水群よりも軟骨変性、骨棘の有意な抑制が認められた(P<0.05)。8週後には有意差は認められなかった。Safranin-O染色を行ったところ、4週後にはヒアルロン酸製剤群において、生理食塩水群よりも有意に軟骨変性が抑制されていたが(P<0.05)、8週後には有意差は認められなかった。HE染色を行ったところ、ヒアルロン酸製剤群において滑膜細胞の増加抑制および細胞密度の増加抑制傾向が確認された。

 柳澤氏は「半月板部分切除による半月板機能不全モデルを作成し、ヒアルロン酸製剤の効果を検討したところ、4週後には軟骨変性抑制効果が確認できたが、8週後には組織学的検討では有意差が認められなかった。これは、本研究モデルの軟骨変性程度が従来のACL切離モデルよりも強かったためと思われる。今後、滑膜に対する炎症抑制効果に関してさらに検討する予定である」と語った。