腰部脊柱管狭窄症に伴う下肢症状に対し、弱オピオイド(トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠)の有効性を検討した結果を、慶應義塾大学整形外科の細金直文氏が第21回日本腰痛学会で明らかにした。

 対象は腰部脊柱管狭窄症と診断され、それに伴う下肢痛やしびれによる間欠性跛行が3カ月以上継続しており、NSAIDsの鎮痛効果が不十分であった28例。トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠は、最初の1週間は3錠/日とし、その後は患者の症状に応じて2〜8錠/日に適宜増減しながら6週にわたり継続投与を行った。

 対象患者の臨床症状については、投与開始前、2週、6週後にVAS、日本整形外科学会腰痛評価質問票(JOA BPEQ)、Roland-Morris Disability Questionnaire(RDQ)で評価し、全般改善度は5段階のアンケート形式で評価した。吐き気などにより脱落した7例、調査票未回収6例を除いた15例(男性4例、女性11例、平均年齢71.4歳)で解析を行った。

 VASおよびRDQは徐々に改善傾向を認めたが、有意差は認められなかった。JOABPEQの6週後の有効率は疼痛関連障害42.8%、腰椎機能障害40%、歩行機能障害50%であった。全般改善度は2週で73%、6週で86.7%と上昇傾向を認めた。間欠性跛行の重症例の割合は投与前、6週後ともに13.3%のままであった。

 細金氏は「今回の検討から、トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠は間欠性跛行が軽度から中等度で手術適応ではない症例に対し、下肢症状の軽減に有効である可能性が示唆された。脱落例が比較的多かったことには、用量設定の問題が考えられる。今後、1錠/日から投与開始し、漸増していく方法を検討したい」とした。