無作為に割り付けられ、ベースライン時に健康関連QOLを評価できた患者は、dapagliflozin群が89例、プラセボ群が91例だった。両群の患者背景を見ると、年齢は約61歳、男性比率が半分強、白人比率が100%、体重は90kg強、BMIは約32kg/m2、糖尿病罹病期間は約6年、HbA1cは約7.2%、メトホルミン投与量は2000mg弱と、いずれも群間差はなかった(表1)。

 102週間の試験を完了したのはdapagliflozin群が69例、プラセボ群が71例だった。また、試験完了時に体重が減少したと自己申告した患者の割合はそれぞれ31.5%、29.7%と、同程度だった(図1)。

 体重の減少を申告した患者において両群の健康関連QOLの改善率をSHIELD WQ-9の項目別に比較したところ、身体的健康はdapagliflozin群が50.0%、プラセボ群は37.0%と、前者で高かった(図2)。この他、家族との交流はそれぞれ25.0%、14.8%、仕事のパフォーマンスは35.7%、14.8%、友人との交流は21.4%、7.4%、日常活動は28.6%、7.4%、情緒的健康は57.1%、29.6%と、いずれの項目においてもdapagliflozin群で高率だった。その中でも、自尊心は57.1%、25.9%、全般的QOLは57.1%、22.2%と、dapagliflozin群で有意に高かった(それぞれP=0.029、P=0.013)。一方、社会活動は14.3%、14.8%と、両群でほぼ同レベルだった。

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 このように、102週後に体重が減少したと自己申告した患者においては、健康関連QOLの9つの項目のうち8つで、改善したと回答した患者の割合が、dapagliflozin群の方がプラセボ群に比べて高く、特に自尊心と全般的QOLについては、有意に高かった。

 なお、本検討の限界として、(1)体重減少を自己申告で評価していること、(2)検出力は体重減少の群間差を検出するには十分であったが、健康関連QOLの群間差を検出するには十分ではなかったこと、(3)本試験の対象は欧州諸国に限定されており、他の地域に一般化するのは適切ではないこと─をGrandy氏は挙げた。その上で同氏は、「dapagliflozin投与群では体重減少に伴う健康関連QOLの改善が2年間にわたり持続したことから、同薬は2型糖尿病の新しい治療選択肢になり得る」と結論した。