年齢、腎機能、肥満が影響する

 BNPやNT-proBNPを上昇させる因子として注意が必要なのが、年齢と腎機能だ。高齢になると、また、BNPは腎から排泄されるため腎機能が低下すると、高値を示すようになる。特に、NT-proBNPは腎排泄にほぼ依存しているため、その傾向がより顕著となる。慢性腎臓病(CKD)のステージが4〜5(推算糸球体濾過量[eGFR]が30mL/min/1.73m2未満)だと、両者のバラツキが大きくなる(図2)。また、BNPは心房からも分泌されるため、心房細動の場合も値がやや上昇する。その一方、肥満は値を下げる因子で、BNPはBMIやウエスト周囲径と負の相関を示すことが報告されている(図3)。

 慢性心不全と診断されている患者における絶対的な管理目標値は、今回のステートメントでは提示していない。症例ごとに最適のBNP値は異なっているからだ。ただし、前回の検査よりも2倍以上上昇した場合は何らかの理由があるはずなので、原因を調べ早期に介入することを求めている。その際、「BNPが下がりやすい患者はもちろん下げてよいが、無理やり下げても予後が良くなるとは限らない。頑張って下げようとすると、かえって腎機能などを悪化させる場合がある」と斎藤氏は注意を促す。

 BNPは心不全のマーカーとして有用だが、これだけで心不全か否かを判断することは当然ながらできない。症状や他の検査結果などを踏まえ総合的に診断、治療することが求められている。