以前から問題になっていた複数の降圧目標がある場合の扱いですが、今回、より高い方を採用することにしました。例えば、後期高齢者で糖尿病を合併している場合の目標値は150/90mmHgとなります。

これまでの課題の解決も目指す

 他の学会のガイドラインと基本的な点で一致させることにも重きを置きました。そうしないと異なる基準や治療目標が存在することになり、現場で混乱を来すからです。糖尿病患者の降圧目標を130/80mmHgに据え置くという判断は、日本糖尿病学会とあらかじめ合意した上でのものです。

 これまで整合性が取れていなかった点を整理し、分かりやすくすることも意識しました。例えば、高血圧の診断基準よりも降圧目標の方が低く、既に高血圧ではないのに降圧目標を達していないというケースがあり、現場ではやや混乱が生じていました。そうした点を一つずつ整理しました。

 配合剤については、近年、数多く発売されてきましたが、第一選択薬には採用しませんでした。理由の1つは保険診療上、ファーストチョイスにすることが認められていないからです。

 もう1つ、安全性をより重視したことが挙げられます。いきなり用量が固定されている配合剤を用いると、うまく血圧がコントロールできず下がり過ぎるケースを完全に否定できません。やはり、当初は薬剤を併用投与し、患者ごとに適切な投与量を確認した上で、配合剤に変更することを検討すべきだと判断しました。

 日本では高齢化が進んでいることもあり、高血圧患者は増加の一途をたどっています。一方、高血圧専門医に循環器専門医、腎臓専門医を加えても、専門医の数は多くありません。専門医だけで全ての高血圧患者を診ることは決してできず、大半の高血圧患者は実地医家の先生方が診ているのです。

 高血圧治療ガイドラインは、そうした実地医家の先生方のために作られたものです。JSH2014は、これまで以上に分かりやすいガイドラインになっていると思いますので、ぜひ手に取って、しっかり読んでいただけることを願っています。

 JSH2014は最終案に向けて最後の調整を進めているところです。12月末までは変更可能ですので、ご意見がございましたら学会事務局まで連絡をお願いいたします。