脳卒中患者は発症早期からうつ状態を呈しやすいことが、弘前大学神経精神医学講座准教授の古郡規雄氏らの調査で示された。さらに、うつ状態にある患者ではリハビリテーションの導入が困難で、入院期間が長期化していた。

 弘前脳卒中・リハビリテーションセンター(青森県弘前市)を受診した急性期脳卒中患者のうち、意識障害がなく、精神科受診歴のない患者488人を対象に、脳卒中急性期におけるうつ状態を評価した。対象となった患者の平均年齢は71.6±11.4歳で、男性292人、女性196人だった。

 入院3日目と10日目に、脳卒中うつスケール(JSS-D)を用いた評価を実施し、スコア2.4以上を「うつ状態あり」とした。その結果、3日目、10日目ともにうつ状態だった患者は44人(9.0%)、3日目はうつ状態を認めず10日目に認められた患者は41人(8.4%)と、全体の2割弱がうつ状態となっていたことが分かった。

 脳卒中の病巣部位とうつ状態の関連を解析したところ、うつ状態を呈する患者では、前頭葉や帯状回前部、側頭葉に病巣がある頻度が高かった。

 古郡氏は、「10日目にうつ状態を呈する患者は入院期間が長引きやすく、リハビリテーション導入が難しくなり、入院期間が2週間程度長くなっていた」と語った。さらに、うつ状態がリハビリテーションの阻害因子となることから、薬物などを用いたうつ状態の改善が必要との考えを示した。