治療上の位置づけは、ガイドラインのwearing offの治療アルゴリズム(図3)において、ジスキネジアがない場合の選択肢の1つになると考えられる。一方、「苦痛を感じるジスキネジアありのon時間が増えないとの第3相試験の結果を踏まえると、ジスキネジアがある場合も選択肢になり得るだろう。つまり、エンタカポンなどと同じく、いずれでも使用できると考えられる」と、高橋氏は語る。

図3●wearing offの治療アルゴリズム
(出典:日本神経学会監修「パーキンソン病治療ガイドライン2011」)
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服薬アドヒアランス高める新薬も
 他の薬剤も注目されている。例えば、ドパミンアゴニストの徐放製剤の場合、1日1回の服薬で済むようになり、服薬アドヒアランスが高まった。薬物濃度の変動が以前より小さくなり、夜間や早朝の症状が改善するケースも見られ、臨床的に手応えが感じられるという。それに対し、貼付薬は、嚥下障害や消化管障害を持つ患者が特に適している。そのため、高橋氏は、「ドパミンアゴニストでは今後、徐放製剤や貼付薬の処方が主流になる」と予想している。

 また、wearing offが出現したときのレスキュー薬として、ドパミンアゴニストの即効薬が昨年発売された。自己注射薬だが効果発現が早いので、突然の症状出現が不安だった患者には福音といえる。

 さらに、ゾニサミドのパーキンソン病での保険適用の用量は25mgで、on時の症状改善効果のみ認められていた。それがこの8月からは、off時間の短縮効果も確認されている50mgも保険給付の対象となった。

 このように多様な治療薬が登場している状況を踏まえ、高橋氏は、「最近登場したドパミンアゴニストは使いやすい薬剤だが、安全に使用するためには副作用を熟知することが必要。一方、wearing offの治療に際しては、その原因は様々で治療に難渋するケースも予想されるので、できれば一度専門医に相談してほしい」とアドバイスする。また、正式決定ではないものの、日本神経学会では2、3年後を目途に、ガイドラインの改訂を検討しているという。