RVO、近視性CNVの効能も追加
 13年8月には、「網膜静脈閉塞症(RVO)に伴う黄斑浮腫」および「病的近視におけるCNV(近視性CNV)」に対しても効能追加となり、同剤に対する眼科臨床での期待がさらに高まっている。

 RVOは動脈硬化などのために網膜の静脈に血栓ができ、閉塞する疾患である。静脈が閉塞してうっ血すると、網膜内に漏出や出血を生じる。網膜浮腫や眼底出血が黄斑に及べば、重篤な視力障害を起こす。久山町研究ではRVOの有病率は2.1%とされ、欧米人や他のアジア人より高率に認められた。働き盛りの中高年に多く、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を抱える患者が多い。

 網膜内の静脈が閉塞する網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)と視神経内で静脈が閉塞する網膜中心静脈閉塞症(CRVO)があり、レーザー光凝固術や硝子体手術、ステロイド薬のテノン嚢下注射などの治療が行われてきた。しかし、エビデンスとしてはBRVOに対するレーザー光凝固術で視力が改善するとの報告があるだけである。

 滋賀医大では、適応外使用としてアバスチンの硝子体内注射も行っているが、あくまで適応外使用であり、今回、ラニビズマブに効能追加が認められたことで、「待望の治療法を手にすることができる」と大路氏は期待を寄せる。

 ラニビズマブはVEGFによる血管透過性亢進を抑えるが、特に急性期の黄斑浮腫を抑制して、視力改善をもたらす(図1)。

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 一方、眼軸が延長する強度近視の状態が続いてCNVが発生し、視力障害を引き起こす近視性CNVは、20〜30歳代の若者に多く、今回の近視性CNVに対する効能追加も「朗報だ」と大路氏は強調する。「RVOも近視性CNVも、ラニビズマブの投与回数はAMDほど多くならないと思われる」という。

 ラニビズマブにはこのほか、糖尿病黄斑浮腫に対する適応も海外で認められており、今後の展開が見込まれる。