こうした製剤特性により、デグルデクは1日1回投与で、より平坦でピークのない血糖降下作用を示し、その効果は24時間を超えて持続することが確認されている(日本:26時間超、海外:42時間超)。

 「実際、超速効型と従来の持効型溶解の組み合わせで血糖値の変動があまり改善されなかった場合に、超速効型とデグルデクの組み合わせで投与すると、フラットな血糖パターンに改善することをしばしば経験している(図1)。デグルデクは1日1回の投与で済むことから治療のコンプライアンス向上が期待できるし、基礎インスリンの安定した効果が発揮されれば、追加インスリンの選択や投与量などに注力できるというメリットもある」と西村氏は説明する。

(*クリックすると拡大表示します)

低血糖を防ぐことが重要
 低血糖はそれ自体が大きな問題を引き起こす。低血糖が生じると意識障害など危険な事態を惹起することがあり、また低血糖と、心疾患や認知症が関連することも分かってきた。特に高齢者では神経の働きが低下しているため、低血糖症状が出ても気づきにくくなる。

 「低血糖を防ぐために様々なインスリン製剤を組み合わせ、投与時刻をずらすなどして工夫しているが、血糖値の変動に合わせて薬を加減するのは難しい。それだけに、“低血糖を防ぐ”という目的を主眼に開発されたデグルデク登場の意義は大きい」

 西村氏はこう述べ、デグルデク使用に当たって次のようにアドバイスする。「他の持効型溶解インスリン製剤からデグルデクに切り替えるとき、血糖値が落ち着くのに3日間程度掛かる印象がある。3日目ごろからデグルデクは本領を発揮することが多いので、それまでは少し我慢が必要だ。また、作用持続時間が長いため、登山やマラソンなどの運動を行う場合、3〜4日前から投与量を減量もしくは必要に応じて中止しておく必要がある」。

 世界に先駆け、わが国で発売されたデグルデク。今後は「デグルデクの効果と使用法を世界に向けて日本から発信していかなければならない」と西村氏は話す。