CLL治療のアンメットニーズ
 1960年代に登場したアルキル化剤は、経口投与が可能であり、毒性も比較的少ない化学療法薬として現在もCLLの標準治療の一つである。アルキル化剤の単剤治療で十分にコントロール可能な患者も多く存在するが、再発例に対しては更なる治療が必要であり、90年ごろからプリンヌクレオチド誘導体であるフルダラビンなどが使用され始めた。さらに、2000年前後から分子標的薬である抗CD20抗体製剤リツキシマブ(国内未承認)がB細胞リンパ腫に対して使用され始め、欧米においてはCLLに対しても使用が開始された。また、欧米では抗CD52抗体製剤アレムツズマブ(国内未承認)も認可されている。

 個々の患者の治療において深い寛解が得られることは、再発までの期間がより長く持続できることを意味するため、有効性の高い治療が求められる。CLL治療の寛解率は、アルキル化剤のみであった時代に比べて確実に向上してきている(図2)。

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 「さらに最近、ドイツのCLL研究グループが実施した第3相試験において、従来の化学療法(フルダラビンおよびシクロホスファミド)にリツキシマブを併用することで、無病生存期間のみならず全生存期間が延長したことは大きなトピックである1)」(塚崎氏)

 一方、日本においてはCLLに適応が認められた分子標的薬がない状況が続いてきた。従来療法で十分にコントロールできない患者にとっては、この点が臨床的アンメットニーズとなっていた。しかし先ごろ、日本でも使用可能になった新規の抗CD20抗体製剤オファツムマブが、このニーズに応え得る選択肢として現在期待されている。

新規抗CD20抗体製剤への期待
 海外において実施された第2相試験では、フルダラビンおよびアレムツズマブに抵抗性、もしくはフルダラビン抵抗性で大きなリンパ節病変を有し、アレムツズマブ治療が適切でないと判断されたCLL患者を対象として24週間のオファツムマブ治療が検討され、奏効率47%という良好な成績が認められた2)。また、日本・韓国共同による第1/2相試験では再発または難治性のCLL患者10例が対象となり、オファツムマブの単剤治療により7例で部分寛解(PR)が認められている3)

 「臨床試験によるリツキシマブとの直接比較は行われていないが、これまでの基礎的研究から、オファツムマブは補体依存性細胞傷害作用(CDC)が極めて強い抗体製剤であり、CD20との結合能が高いためCD20の発現が比較的低いCLLに対しても有効性が期待され、リツキシマブと同等以上の有用性を示す可能性が考えられる」と塚崎氏は指摘する。

 わが国においてオファツムマブは従来の化学療法で十分に寛解が得られなかったCLL患者に福音となる可能性を持っている。「使用経験がまだ少ないため慎重に投与する必要があるが、適応となる症例に対しては積極的に使用していくことが重要である」と塚崎氏は強調する。

1)Cramer P, et al:Leuk Lymphoma 2013;54:1821-2.
2)Wierda WG, et al:Blood 2011;118:5126-9.
3)Ogawa Y, et al:Int J Hematol 2013;98:164-70.