高齢者の肝癌予防が急務
 難治例を対象としたCONCERTOの成績を見ると、SMVを含む3剤併用療法のSVR率は、初回治療例で88.6%、前治療再燃例で89.8%、前治療無効例で50.9%であった(図1)。また、「この成績は、TVRを含む3剤併用療法の第3相試験の成績より良好で、特に前治療無効例の半分がSVRを得られたことは非常に素晴らしい成績である」と泉氏は指摘する。また、CONCERTO1〜3は、PEG-IFNα-2aとの併用だが、PEG-IFNα-2bを使ったCONCERTO4でも同様の成績が得られ(図1)、PEG-IFNの種類によるSVR率に大きな差は見られなかった。

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 既に述べたように、わが国におけるC型肝炎患者は肝癌の発生リスクが高い高齢者が多い。しかし、第1世代のTVRは重篤な副作用が懸念されたため、65歳以上の患者には十分量が投与できなかった。しかし、CONCERTOでは70歳までの患者を対象として高い安全性が示された。さらに「年齢別にSVR率を見ると、45歳以下と65歳以上の治療成績はほとんど変わらない(図2)。つまり、年齢による差がないことから高齢者に適した治療といえる」と泉氏は指摘する。

 今後、HCVの増殖を抑制する作用機序の異なる抗ウイルス薬が、数種類使用可能になる予定である。そうした現状に対して泉氏は「個々の患者の肝癌発生リスク、IL28B遺伝子多型、ウイルスの薬剤耐性変異などから、今治療すべきか、次世代の薬剤を待つべきかを判断することが肝臓専門医に求められる」と指摘し、「肝癌のリスクが高く、IFNが有効な患者はIFNをベースにした治療を受けるべきだ」と強調する。