ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)2阻害薬であるdapagliflozinは、食事・運動療法で十分な治療効果が得られなかった日本人2型糖尿病患者において、24週にわたって血糖値の改善に有効であり、空腹時血糖値と体重も減少させることが分かった。これは、dapagliflozinの有効性と安全性を評価する日本の第3相試験の結果から示されたもので、川崎医科大学総合内科学の加来浩平氏らが発表した。

 本試験は、2週間のスクリーニング期間と4週間の導入期間の後に、24週間の無作為化比較試験を二重盲検下で実施。登録の6週間以内に薬物治療を受けていた場合は、導入期間の前に6週間のwash−out期間を設けた。

 対象は34〜81歳で、食事・運動療法では十分な血糖コントロールができなかった日本人2型糖尿病患者261例とした。これらの患者を、プラセボを投与する群(プラセボ群、87例)、dapagliflozin 5mgを1日1回投与する群(5mg群、86例)、同10mgを1日1回投与する群(10mg群、88例)の3群に無作為に割り付けた。

 患者背景は、平均年齢がプラセボ群は60.4歳、5mg群は58.6歳、10mg群は57.5歳、平均罹病期間が順に5.3年、4.6年、4.9年。HbA1cはいずれの群も7.5%で、HbA1cが7.0%以下の割合は27.6%、25.6%、29.5%、空腹時血糖値は139.6mg/dL、137.5mg/dL、138.8mg/dL、体重は66.0kg、65.8kg、69.7kgだった。

 主要評価項目である調整後のHbA1c変化量(平均値)は、プラセボ群が−0.1%(95%信頼区間−0.2〜0.1)、5mg群が−0.4%(−0.5〜−0.3)、10mg群が−0.5%(−0.6〜−0.3)で、dapagliflozinを投与した群はいずれもプラセボ群より有意に減少した(ともにP<0.0001)。

 さらに、ベースラインにおけるHbA1cにより7%未満、7%以上8%以下、8%超9%以下の3群に分けて調整後の変化量を見ると、5mg群、10mg群はいずれもベースラインのHbA1cが高値になるほど減少量が大きかった。

 副次評価項目である調整後の空腹時血糖値の変化量(平均値)は、プラセボ群が5.8mg/dL(95%信頼区間1.6〜10.1)、5mg群が−8.6mg/dL(−12.9〜−4.3)、10mg群が−13.7mg/dL(−18.0〜−9.5)で、dapagliflozin群はいずれもプラセボ群より有意に減少していた(ともにP<0.0001)。

 また、調整後の体重の変化量(平均値)はプラセボ群が−0.8kg(95%信頼区間−1.4〜−0.3)、5mg群が−2.1kg(−2.7〜−1.6)、10mg群が−2.2kg(−2.7〜−1.7)で、5mg群と10mg群はともにプラセボ群より有意に体重が減少していた(順にP=0.0003、P=0.0001)。

 安全性については、有害事象が1件以上発現した患者の割合は、プラセボ群が51.7%、5mg群が47.7%、10mg群が64.8%で、重篤な有害事象が1件以上発現した患者の割合は順に1.1%、0%、1.1%。また、試験中止に至った有害事象の発現率は、5.7%、3.5%、8.0%だった。

 性器感染症と考えられる症例がプラセボ群で1件、5mg群で1件、10mg群で2件、尿路感染症と考えられる症例が順に2件、0件、2件報告された。

 以上から、加来氏は「dapagliflozinはいずれの投与量でも高血糖状態を効果的に改善した。日本人のHbA1cが相対的に低いことを考慮すると、欧米人での減少効果と同程度であった。体重減少も既に論文発表されている試験データと同レベルだった」と述べ、「日本人においても安全性と忍容性が示され、2型糖尿病治療に用いる薬剤としてふさわしいことを支持するデータだった」と結論した。