3日間の集中的な血糖自己測定(SMBG)に合わせて簡単な生活状況も同じシートに記録し、それを踏まえて総合的な評価を行うことが、良好な血糖コントロールを得るために効果的という。問題点を見いだして対策を講じるには、測定値だけでは不十分だ。


 少量の血液ですぐに血糖値が分かるSMBGは、糖尿病治療のツールの1つとして有用であることは間違いない。しかし、中には測定すること自体が目的になり、毎回の測定値に一喜一憂してしまう患者もいる。それでは、SMBGを治療に生かしているとは言い難い。

Stuart Bootle氏
英国 Healthcare Continuum社

集中的な測定で問題点を抽出
 英国のプライマリケア医で、現在はコンサルタント会社に所属するStuart Bootle氏は、日常診療における効果的なSMBG測定のプログラムである「体系的血糖測定(structured testing)」の指導法の開発に関わった。このプログラムは現在、ロシュ・ダイアグノスティックス社から提供されている。

 Bootle氏は「患者一人ひとりで、抱えている問題や治療内容、生活パターンは異なる。そのため、ただ漫然と血糖値を測定するのではなく、食事内容や運動量、またインスリン投与量なども考慮して、適切な頻度とタイミングで測定することが重要だ」と指摘する。

 体系的血糖測定では、患者の血糖コントロールにおける問題点や血糖測定の適切なタイミングを探るため、最初に3日間の集中的な測定を行う。1日のうちの血糖測定のタイミングは、朝食前、朝食2時間後、昼食前、昼食2時間後、夕食前、夕食2時間後、就寝前の計7回だ。

 本プログラムで特徴的なことは、測定した血糖値だけでなく、大まかな食事量や運動を行ったかどうか、また患者自身が5段階で評価する「元気度レベル」などを、患者が1枚のシートに記入することだ(図1)。

図1●体系的血糖測定で用いる記入シート(部分)
1日7回測定した血糖値、食事量、運動の実施の有無などを患者自身が記録する。これを3日間集中的に行うことで、医師が問題点を抽出したり、患者が食事内容や運動量による血糖値変化を実感できる。ロシュ・ダイアグノスティックス社が無料配布しており、Webサイトからダウンロードすることも可能だ。
(資料提供:ロシュ・ダイアグノスティックス)

 3日間続けることで、血糖変動の傾向、および食事の量や体調などと血糖変動の関係が一覧でき、問題点が把握しやすくなる。

 また、記録シートには患者が気づいたことを書き込む欄がある。この欄の活用を通じて、患者が自ら食事の内容に気をつけたり運動に取り組むなど、治療に対するアドヒアランス向上にもつながるという。