血糖コントロール目標値が改訂され、今までの5段階から3段階にまとめられた。国内外のエビデンスに基づき、合併症予防の目標である「HbA1c 7.0%未満」を強調。新たな目標値を周知徹底するために「熊本宣言2013」も採択された。


 日本糖尿病学会は2013年5月に熊本で開催された第56回年次学術集会で、新しい血糖コントロール目標を発表した。これまでの「優・良・可(不十分・不良)・不可」という5段階をHbA1cで「6.0%未満、7.0%未満、8.0%未満」の3段階に集約した上で、糖尿病合併症予防の観点から「HbA1c 7%未満」を基本的な目標値とした(図1)。

図1●新たに提唱された血糖コントロール目標(HbA1cはNGSP値)
(出典:日本糖尿病学会編、糖尿病治療ガイド2012-2013)

 血糖コントロール目標値の改訂に至った理由の1つが、同学会が進めているHbA1cの国際標準化にある。我が国ではこれまでJDS値で表記していたが、現在の国際標準はNGSP値になった。糖尿病の診療や研究でもグローバル化が進んでおり、HbA1cの表記も諸外国とそろえるべきとの判断により導入が決まった。12年からは日常診療でも「JDS値+0.4」で算出されるNGSP値が併用されており、14年4月にはNGSP値への完全移行が決まっている。

 この表記法の切り替えにより、今までの血糖コントロール目標の区切りとなるHbA1cが、例えば「良」は6.9%未満と、切りのいい値ではなくなってしまった。

 さらに近年、「不可」といった否定的表現は患者中心の医療という観点からそぐわないこと、また、より低い目標を「優」と表現することで、低血糖のリスクを顧みずHbA1cのさらなる低下を目指す方が好ましいという誤解を生む危険性のあることなどが指摘されていた。これらを踏まえ、新しい評価分類が検討された。

3段階の案に支持集まる
 日本糖尿病学会学術調査研究委員会は新しい評価分類案として、(1)<案A>「糖尿病合併症抑制のために推奨される治療目標」として「HbA1c 7.0%未満」の1段階とする、(2)<案B>HbA1c 7.0%未満に加えて、「副作用なく達成可能な場合の理想的な治療目標」として「HbA1c 6.0%未満」を加えた2段階とする、(3)<案C>高齢者などでは、あまり厳格ではない基準も必要との観点から、「全ての患者が達成すべき治療目標」として「HbA1c 8.0%未満」も加えて3段階とする─の3案を学会評議員に提示し意見を求めた。