狭心症エピソードの1週間当たりの回数(最小二乗平均)は、ベースラインにおいてはranolazine群が6.6回、プラセボ群が6.8回と有意差はなかった(P=0.54)。本試験の主要評価項目である2〜8週後の回数はそれぞれ3.8回、4.3回と、両群とも減少したが、有意な群間差が認められた(P=0.008、図1)。

図1●狭心症エピソード頻度の推移

 ニトログリセリン舌下投与の1週間当たりの回数(最小二乗平均)は、ベースラインにおいてはranolazine群が4.1回、プラセボ群が4.5回と差はなかったが(P=0.27)、主な副次評価項目の2〜8週後ではそれぞれ1.7回、2.1回に減少し、両群間に有意差が認められた(P=0.003、図2)。

図2 ●ニトログリセリン舌下投与の頻度の推移

 主要評価項目のサブ解析によれば、ranolazineの狭心症エピソード抑制作用は、抗狭心症薬数、ベースラインの狭心症エピソード数、年齢、性別、PCIやCABGの施行歴にかかわらず認められた。ただし、地域差があり、ロシア、ウクライナ、ベラルーシでは有意差が認められなかった。また、HbA1c値で層別解析すると、カットオフ値が6.0、6.5、7.0、7.5、8.0%のいずれであっても、ranolazineの有用性は血糖コントロール不良例の方が高かった。

 安全性を見ると、重篤な有害事象の発現率はranolazin群が3.4%、プラセボ群が4.2%と、群間差はなかった(P=0.51)。一方、重篤ではない有害事象に関しては、めまいは順に3.6%、1.3%で、ranolazine群の方が有意に多かった(P=0.019)。悪心はそれぞれ3.6%、0.4%で、前者で有意に高率だった(P<0.001)。

 これらの結果を基にKosiborod氏は、「2型糖尿病、CAD、慢性狭心症の合併例で、ranolazineは狭心症エピソードやニトログリセリンの舌下投与の回数を減少させた。その効果はロシア、ウクライナ、ベラルーシ以外の患者やHbA1cが高い患者でより著明だった」とまとめた。