慢性狭心症は患者の健康状態やQOLに悪影響を及ぼし、反復的な入院の要因にもなる。糖尿病を合併していると、狭心症による患者の負荷はさらに大きくなる。米国で慢性狭心症治療薬として承認されているranolazineは、空腹時血糖値やHbA1cを下げる可能性が指摘されている。

米国Saint Luke’s Mid America Heart InstituteのMikhail Kosiborod氏

 2型糖尿病、冠動脈疾患(CAD)、慢性安定狭心症を合併し、既存の狭心症治療薬を1〜2種類服用しても症状を抑制できていなかった患者を対象に、ranolazineの有効性と安全性を前向きに検討するTERISA試験が行われた。研究グループを代表して米国Saint Luke’s Mid America Heart InstituteのMikhail Kosiborod氏が、その結果を報告した。

 同試験は導入期間と治療期間からなり、プラセボを4週間投与する導入期間の後、ranolazine群(目標用量1000mg、1日2回)とプラセボ群に無作為に割り付け、二重盲検下で8週間投与した。

 世界14カ国の105施設で実施され、1185例が登録されたが、採択基準違反、導入期間を終了できないといった理由で236例が脱落。そのため、949例がranolazine群(473例)とプラセボ群(476例)に無作為に割り付けられた。追跡期間中に11例ずつ脱落し、最終的に有効性解析の対象はranolazine群が462例、プラセボ群が465例となった。

 両群の患者背景は表1の通りで、いずれの項目でも差はなかった。年齢は63〜64歳、男性が6割強で、90%以上が高血圧を、80%前後で脂質異常症を合併していた。心筋梗塞の既往を有していたのは70%台前半、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の既往は40%前後、冠動脈バイパス術(CABG)の既往は18〜19%だった。

表1●ベースラインにおける患者背景や服薬状況

 糖尿病に関しては、罹病歴は7年強、HbA1cは7.3%、薬剤使用率は血糖降下薬が約93%、インスリンが2割前後だった。

 治療薬については、β遮断薬、スタチン、抗血小板薬、ACE阻害薬/アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)が8〜9割と高率に処方されており、服薬コンプライアンスは良好な集団だった。