バイオリムス溶出ステント(BES)のNoboriは、生体分解性ポリマーを用いて薬剤を血管壁側にのみ塗布したステンレス合金製ステントだ。だが従来の薬剤溶出ステント(DES)との比較試験では、一貫した結果が得られていない。そこで京都大学の夏秋政浩氏らは、日本人患者を対象にBESのエベロリムス溶出ステント(EES)に対する非劣性を検証する多施設無作為化試験NEXTを実施し、1年後までの追跡結果を報告した。

 患者登録において除外規定は設けず、試験参加施設でDES留置が予定された患者を全て登録した。患者は実施施設、糖尿病の有無、血管造影のサブ解析の対象か否かで層別し、BES群(1617例)とEES群(1618例)に無作為に割り付けた。

 3235例のうち、1年間追跡できたのは3209例(99.2%)で、血管造影のサブ解析の対象は528例(BES群263例、EES群265例)だった。疾患の内訳は、安定冠動脈疾患(CAD)がBES群83%、EES群84%、不安定狭心症が12%、11%、急性MI(AMI)が5.1%、4.5%。ステントの留置成功率は両群とも99.6%に達していた。

 有効性の主要評価項目である1年後の標的病変血行再建術(TLR)施行率は両群とも4.2%で、BES群のEES群に対する非劣性が示された(P<0.0001)。安全性に関しては、1年後の全死亡率はBES群が2.6%、EES群が2.5%、MI発症率はそれぞれ3.3%、3.1%と、いずれも有意な群間差を認めなかった(順にP=0.9、P=0.77)。ステント血栓症(ARC定義のdefinite)の発生率も0.25%、0.06%と、有意差はなかった(P=0.18)。

 血管造影の主要評価項目である8〜12カ月後のセグメント内遠隔期損失はBES群が0.03±0.39mm、EES群が0.06±0.45mmで、BES群のEES群に対する非劣性が示された(P<0.0001)。一方、血管造影のサブ解析において有意な群間差が認められたのはステント破損で、BES群が3.1%、EES群が0%だった(P=0.004)。

 夏秋氏は、全患者を対象としたが結果的に安定CADが多かったことなどの限界を挙げた上で、「1年後のTLR施行率や8〜12カ月後のセグメント内遠隔期損失で、BESのEESに対する非劣性が示された」と語った。