抗アルドステロン薬のエプレレノンは心筋梗塞(MI)の有無を問わず、心不全患者の全死亡率を低下させるとの報告がある。また、ST上昇型MI(STEMI)患者では、入院時のアルドステロン濃度が高いほど、死亡や心不全などのリスクが高まることも指摘されており、アルドステロンの遮断によりSTEMI患者の転帰を改善できる可能性がある。そこで、心不全を伴わない急性期のSTEMI患者に対し、標準治療に加えて早期からのエプレレノン投与の有用性を検討した、REMINDER試験が行われた。フランスPitie-Salpetriere Hospital のGilles Montalescot氏が、その結果を報告した。

 対象となった1012例を発症24時間以内に、エプレレノン群(初日は25mg/日、2日目以降は25〜50mg/日を投与、506例)とプラセボ群(506例)に無作為に割り付けた。主要評価項目は、心血管死、心不全による再入院・初回入院期間延長、持続性の心室頻拍あるいは心室細動、割り付け後1カ月以内の左室駆出率(LVEF)40%以下への低下、BNP・NT-proBNPの上昇の複合エンドポイントとした。

 平均10.5カ月間の追跡期間における主要評価項目発生率はエプレレノン群の方が有意に低く、ハザード比は0.581(95%信頼区間0.449-0.753、P<0.0001)だった。なお、エプレレノン群におけるリスク低下には、BNPあるいはNT-proBNPの上昇リスクの抑制が大きく貢献していた。

 主要評価項目を性別、年齢、収縮期血圧、脈圧、心拍数、推算糸球体濾過量、心房細動や糖尿病、高血圧の既往などの様々な因子で層別解析したが、プラセボ群が有意に良好であることはいずれでも確認されなかった。

 有害事象の発生は両群間で差はなく、腎機能への悪影響も認められなかった。しかし、高カリウム血症(5.5mmol/L超)はエプレレノン群で多い傾向があり(P=0.09)、低カリウム血症(3.5mmol/L未満)は有意に少なかった(P=0.0002)。

 以上からMontalescot氏は、「心不全を伴わない急性期のSTEMI患者において、標準治療に加え発症24時間以内のエプレレノン投与により転帰が改善することが示された」と結論した。