改正臓器移植法が施行され、15歳未満の小児からの臓器提供が可能になった。しかし、施行後の2年半に実施された小児ドナーからの臓器提供による心移植は2例にすぎず、海外に比べて圧倒的に少ない。小児用補助人工心臓の国内導入や脳死ドナー確保がカギになりそうだ。


東京女子医科大学東医療センター心臓血管診療部教授 布田 伸一氏

 「日本では、2010年7月に改正臓器移植法が施行されたことで、15歳未満の脳死下臓器提供が可能になった。しかし、小児心移植数は伸びていない。10年7月から13年2月までの2年8カ月間に、15歳以上では81人に心移植が行われたが、15歳未満では2人のみ。小児心移植は全体の40分の1にすぎない」。東京女子医科大学東医療センター心臓血管診療部教授の布田伸一氏は、現状をこう説明する。

 国際心肺移植学会(ISHLT)レジストリーによれば、全世界で施行される心移植は年約4000件。このうち小児(ISHLTの規定では17歳以下)の心移植が、ほぼ1割を占める(図1)。

図1●世界における成人(上段)・小児(下段)の心移植数の推移(ISHLTレジストリー)

 日本における小児の移植需要が少ないわけではない。10年7月〜13年2月に心移植適応とされた患者は15歳以上では211人、15歳未満では33人。小児は成人の7分の1だった。その後の日本臓器移植ネットワーク(JOT)登録も15歳以上の205人に対し、15歳未満は22人と小児が1割を占めた。また、同じ期間に15歳未満の11人が海外渡航心移植を受けている(図2)

図2●改正臓器移植法施行後における日本の成人・小児の心移植数(布田氏による)
2010年7月1日〜13年2月28日における日本循環器学会心臓移植適応検討小委員会申請症例の状況