2009/10/22

ACR/EULAR、RA分類/診断基準を22年ぶりに共同改訂

予想外の確定版発表に驚きの声も

中沢 真也=日経メディカル別冊

関連ジャンル:
関節リウマチ

Daniel Aletaha氏

 続く2人の演者は、策定過程に沿って、新基準の全容を報告した。まず、ウイーン医学校のDaniel Aletaha氏は、新基準策定の第1段階(フェーズ1)について解説、欧州の9つのコホートに基づく研究で、早期RAに関連する因子を抽出したことを紹介した。

 次にカナダ・女子医科大学病院のGillian A. Hawker氏は、策定の第2段階(フェーズ2)と第3段階(最終フェーズ)を説明した。この過程では専門家のコンセンサスとコンピューターソフトによる分析に基づいて、該当項目の得点を合算してRA発症の有無を判断するスコアシステムを策定したことを報告した。

Gillian A. Hawker氏

 最後に、米Brigham and Women's HospitalのMichael E. Weinblatt氏が、「新基準は臨床試験や実臨床の場に何をもたらすか」と題して、短いまとめを報告、その中で、現行の1987クライテリアでは、早期患者に対し、(1)抗リウマチ薬DMARDs)導入が遅くなる、(2)生物学的製剤の使用が制限される、(3)臨床試験への組み入れが困難、などの問題点があると指摘、新基準が、臨床、研究の両面で関節リウマチ治療を改善する可能性を指摘した。

 今年6月にコペンハーゲンで開催された欧州リウマチ学会(EULAR2009)では、ACR2009での正式発表が予告されていたが、根強い反対意見もあり、本学会では改訂案の提示にとどまるのではないかと予想されていた。それだけに確定版の発表は、本学会最大のサプライズになった恰好だ。

 新基準策定を主導したのは欧州だった。米国とカナダを巻き込み、ACRを最終発表の場としたうえ、名称も「アルファベット順」という形で米国に華を譲ることで、唯一の国際基準とする“実”を確保した。

 しかし、強力なリーダーシップによって短期間でまとめ上げただけに、今後、新基準が、実臨床や臨床試験の場で関節リウマチの早期鑑別に有効かどうか、十分な検証が必要だ。たとえば、基準の妥当性について仮想的な症例で検討してきたものの、本格的な実臨床の検証は先送りしている。

 また、欧州コホートのみによる重み付けで策定された基準が、日本の臨床やアジア人の人種特性においても有効かどうか、議論と検証が不可欠だ。今後、新基準の修正や追加の議論に向け、真のグローバル基準にするためにも、日本を含む拡大した枠組みで議論を進めるように求めていく必要がありそうだ。

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