MTXの副作用への対処は診療連携と休薬がカギ
 副作用を疑う症状があった場合、MTXはいったん休薬します。関節リウマチの悪化を心配してMTXを服用し続けるのは危険です。感染症や間質性肺炎は、悪化すれば比較的急性に生命に関わる事態に陥りかねないからです。

 そのため、平素から患者さんの言うことに耳を傾け、「ちょっと咳が出る」「微熱が続く」といった訴えがあれば、X線画像で評価したり、間質性肺炎のマーカーであるKL-6やニューモシスチス肺炎のマーカーであるβ-D-グルカンを測定することが必要です。

 そして、発熱や咳嗽などの呼吸器疾患症状があった場合には、呼吸器内科のある連携施設に紹介し、紹介された連携施設はただちに入院させて治療することが必要です。

 MTXは葉酸拮抗薬であり、連用していると葉酸欠乏をきたし、骨髄抑制や肝障害、粘膜傷害を起こします。

 こうした症状の予防には葉酸の併用が有効で、週1回、MTXの最終服用から24〜48時間後に葉酸製剤を服用すれば、骨髄抑制はほぼ予防できます。また、骨髄抑制が発生した場合には、MTXの解毒剤として知られるロイコボリンを投与することで回復します。

 最近、MTXの長期使用に関連して、多施設から報告が相次いでいるのがリンパ増殖性疾患です。我々が最近、経験した5例は、いずれもMTXを10年以上服用している症例でしたが、3〜4年で発症する例もあるようです。

 ほぼ半数の症例では、MTX中止だけでリンパ腫が自然消失しましたが、残りはなかなか縮小せず、悪性リンパ腫に進展して化学療法を施す必要がありました。

 関節リウマチ合併リンパ腫患者について、MTX服用群とMTX非服用群を比較した国内の研究で、関節リウマチ発症からリンパ腫発症までの期間が、MTX非服用群では約20年だったのに対し、MTX服用群では約11年と、約2倍の差があったことが報告されており、MTXによってリンパ腫発生が促進される可能性が示唆され、今後注意すべき病態だと思います。