メトトレキサート(MTX)は関節リウマチ治療の主役とされ、関節リウマチ患者の疾患コントロールに大きな役割を果たしている。その半面、間質性肺炎や肝機能障害、骨髄障害などの副作用があり、腎機能障害者には慎重投与、妊婦には禁忌とされるなど、投与に注意を要する。MTXの有効性と安全性、忍容性が得られない場合の他剤への切り替えなどについて、埼玉医科大学総合医療センター リウマチ・膠原病内科教授の天野宏一氏に聞いた。(聞き手:中沢 真也=日経メディカル別冊)

 MTX治療は6〜8mg/週で開始し、忍容性を確認しながら投与量を増やしていきます。効果は用量依存性なので、十分量を投与するのが基本です。

 16mg/週まで増やすことができますが、私は体重当たり0.25mg/週を上限用量の基準としています。すなわち、体重50kgの人なら12.5mg/週、60kgの人では15mg/週になります。

 欧米では25mg/週程度を上限としていますが、欧米の関節リウマチ患者は平均体重が70kg以上と、日本人患者の平均体重の1.5倍近くありますので、日本におけるMTXの上限値16mg/週という設定は妥当な水準だと思います。

 MTXの副作用としては、間質性肺炎、骨髄抑制、感染症、肝障害などがあります。投与前にこうした疾患があれば、投与禁忌となります。また、受精卵の分化や成熟に悪影響を与えるので、妊娠中の投与は絶対禁忌になっています。

 関節リウマチ患者さんには、妊娠の可能性がある30代の女性も少なくないので、いつごろ子どもが欲しいのか、関節リウマチの治療を優先したいかどうかなどについて、患者さんとよく話し合ってから、方針を決めることが大切です。

 なお、妊娠を希望する場合は、MTX中止後、少なくとも正常な月経が2回、できれば3回以上あった後が望ましいです。

 MTXの副作用には、用量依存性のものと非依存性のものがあります。用量依存性の副作用としては、白血球減少などの骨髄抑制、肝障害、口内炎などの粘膜障害、胃腸障害などがあります。

 これに対して間質性肺炎は用量非依存性とされ、4mg/週程度の低用量でも発症する場合があります。用量依存性の副作用は用量を減らすことで回避できますが、間質性肺炎などは投与量にかかわらず、常に注意が必要です。