関節リウマチ患者はおしゃれや娯楽を切り詰めて治療を受けている
 関節リウマチの患者会である日本リウマチ友の会が会員を対象として実施した生物学的製剤の使用に関するアンケート調査でも、多くの患者さんが生物学的製剤使用中の経済的な負担が大きいと感じながら治療を継続している実態が明らかになりました。

 約1万5000人に調査票を送付し、6割に当たる約9000人から回答を得ました。その結果、3分の1に当たる約3100人が生物学的製剤の投与を受けていました。投与を受けていた人に負担感について尋ねたところ、現在・将来とも問題ないとした人が17%だったのに対し、3分の1強の36%は「負担が大きく切り詰めて治療を受けている」という回答でした。

 この36%の人にどのような費目を切り詰めたかを尋ねると、衣類費と娯楽費がともに約80%と最も多く、以下、美容費、交際費、食費の順でした。関節リウマチは女性に多い病気であり、これらの費用を削ってまで治療を続けているという事実を知ると、切ない気分になります。

 同じアンケートで、現在は生物学的製剤を使用していない患者のうち、過去に投与を受けていたが今は使っていない人は約480人でした。中止の理由を尋ねたところ、11%が経済的な理由で中止していました。

 また、生物学的製剤を使用したことがない人は約5100人でしたが、そのうち28%は、主治医から生物学的製剤の使用を勧められながら断っていました。断った理由は「怖いから」と「高額だから」で、この群でも経済的な理由が12%を占めていました。全体として、経済的な理由で生物学的製剤の使用を断念した人が10%程度存在していることになります。

日本の患者負担は重すぎる
 どのような患者さんに対してどのような時期にどの生物学的製剤を使用するのが、医療経済的に妥当なのかを検討することも大切です。

 関節リウマチ発症者の中心層は30歳代から50歳代の女性です。多くは家庭を持ち、高校生や大学生と生活しています。一般的な収入の家庭で毎月5〜6万円も奥さんのためだけに払い続けるのは本当に大変なことです。

 例えば英国では生物学的製剤の使用基準はかなり厳しいですが、基準を満たせば患者さんの負担はゼロです。それに比べて日本の患者負担は重すぎる印象です。われわれが行っているような調査を通して、生物学的製剤の投与が不可欠な患者さんの負担を少しでも軽減できればよいと思っています。(談)