疾病コストには直接費用と間接費用があります。直接費用は、直接医療費と直接非医療費に分かれます。直接医療費とは、病気のために医療機関などに支払う費用のことで、外来診療費のほか、薬局に支払う薬剤費、検査費、自費で支払う代替医療費などを含みます。直接非医療費は、病気のためにかかる医療費以外の費用のことで、交通費、装具、介護保険、家の改修費などがこれに当たります。一方、間接費用は、病気によって本人の所得が失われることによる損失などを指します。

 東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターに通院する関節リウマチ患者の前向きコホートであるIORRAデータベースを用いて調査したところ、2000年から2007年にかけて、患者1人当たりの外来医療費が増加していました(図1)。日本では、2003年から生物学的製剤が関節リウマチに使用可能になりましたので、生物学的製剤にかかる費用が医療費増大に関与したことは間違いありません。

図1 RA患者の年間外来医療費は2003年以降急増している

 また、2007年度の直接医療費、すなわち1年間に患者さんが支払う自己負担額は、平均で約26万円、毎月2万円強でした。生物学的製剤使用率は約5%と、まだ使用が少なかった時点での調査ですが、関節リウマチ患者さんはこれだけ支払っています。これに対し、生物学的製剤を使っている患者さんのみで見ると、平均で年間約70万円、毎月6万円弱と大幅に高額な負担であることが分かりました。

 なお、当院に通院している患者さんの約32%が何らかの代替医療を利用していました。最も多いのが健康食品で、次いでマッサージ、鍼灸、漢方、民間薬の順です。使っている人について調べると、平均で年間14万6000円(毎月約1万2000円)を支払っていました。