国内外の学会で関節リウマチ(RA)治療に関する最新の研究成果が報告され、メディアなどを通じて紹介されるが、地域全体で最新の医療を提供するのは難しい。院内・院外の医療連携とともに、医療スタッフの戦力化、医師から市民までの教育・啓発が不可欠となる。信州リウマチネットワークを結成、長野県全域のRA医療の向上を目指してきた丸の内病院(長野県松本市)リウマチセンター科長の山崎秀氏に話を聞いた。(談話まとめ:中沢 真也=日経メディカル別冊)

 信州リウマチネットワークの活動を始めたのは2007年、今年(2013年)で6年目です。ただし、母体となった「信州リウマチ膠原病懇談会」では、年2回ずつ25年以上にわたり、長野県内でリウマチ医療に携わる整形外科医や内科医が症例検討や情報交換を行ってきました。

 生物学的製剤の登場でRA医療は大きく変わってきました。大学病院や当院のように患者数が多い病院では、学会や講演会などで新しい情報を得て専門性の高い治療を進めていますが、現実には、多くの患者さんが一般医を受診しています。

 そこで、現在、国際的に標準とされる治療の水準を、医療連携の仕組みを使い、地域全体で実現したいと考えました。その目標を実現するために、「リウマチネットワーク」という名前で活動を始めたのが、当会が発足した経緯です。

 まず長野県内のリウマチ医療の実態を把握するため、アンケート調査を実施しました。これにより、地域のリウマチ診療医とその標榜科、患者数、地域で一番核となっている医師名、生物学的製剤の種類と投与量などの実態が把握できてきました。このアンケートは2011年まで年1回、計5回実施しました。

 長野県は広く、北信、東信、中信、南信の4つの地域があって、経済や社会活動の単位になっており、1つの大学病院を中心として連携をとるのは困難です。そこで、各地域でリウマチ医療の核になる病院から情報を発信したり、医療連携をつくる形にしたいと考えています。現在は、比較的リウマチ専門医が多い地域から連携を作り始めている段階ですが、最終的には長野県全体のリウマチ医療体制を構築できればと思っています。