梅毒の流行が加速している。第44週までの患者届出数は2100人と、1999年4月に感染症法による届出に変更となってから、初めて2000人を超えた。13年に1000人を突破したばかりで、わずか2年で倍増する勢いにある(図1)。

図1 梅毒の患者届出数の推移(国立感染症研究所のデータを基に作成。週ごとの集計のため年月日による集計と異なる場合がある)

 今年に入ってからの患者届出数を見ると、1〜3月は100人台にとどまっていたが、4月に255人と急増。以降、200人を超える水準で推移し、10月は264人と今年の月間最多を記録した。また、06年4月以降のデータを見ると、15年は1〜10月の全ての月で、過去10年間の月間記録を上回っていた(図2)。

図2 月ごとに見た梅毒の患者届出数の推移(国立感染症研究所のデータを基に作成。週ごとの集計のため年月日による集計と異なる場合がある)

 性感染症の専門家らによると、最近は女性患者が増えているのが特徴という。先天性梅毒の報告例も目立ち、今年は2桁台に達するのではと懸念する声も聞かれる。

 国や各自治体も、啓蒙活動をはじめ、無料の相談・検査などと対策に乗り出しているが、梅毒流行の拡大阻止には至っていない。特に増加の著しい東京都(図3)は、2020年にオリンピック・パラリンピックを控えており、対策のさらなる強化が必要となっている。

図3 東京都の梅毒患者届出数の推移(東京都のデータを基に作成。週ごとの集計のため年月日による集計と異なる場合がある)