西アフリカのマリでは、2例目のエボラ出血熱感染者が確認されたのを機に新たな展開を見せている。WHOの発表によると11月20日時点で合計患者数は6人、うち5人が死亡となった。2例目の感染源と考えられる聖職者の葬儀には、数千人が出席した可能性があり、接触者の把握が急がれている。

 マリの6例には1例目の2歳女児も含まれるが、2例目との関連性は否定されている。2歳女児は10月24日に死亡。その後、接触者の追跡調査が行われ、家族を含む118人が医学的監視下に置かれた。全員が発症することなく、21日間の潜伏期間を終えている。

 2例目となった患者は、25歳の男性看護師でマリの首都Bamakoにあるパスツールクリニック(民間医療施設)に務めていた。この看護師の感染源となったのは、ギニアから治療にやってきた70歳のグランドイマーム(イスラム教の聖職者)だった。聖職者は10月25日にクリニックを受診。10月27日に死亡した。統計上はギニアの感染例として把握されている。

 25歳の男性看護師は、この聖職者の治療に当たっていた。11月8日に入院。11月11日にエボラ出血熱に感染していることが確認され、同日に死亡した。

 3例目は同じクリニックの医師。聖職者を治療後、エボラ出血熱に感染していることが分かった。医師は11月5日に発症し、8日に入院、12日に感染が確認された。現在も治療中だ。

 4例目は聖職者の友人である51歳の男性。パスツールクリニックに入院していた聖職者を見舞いに訪れていた。11月7日に発症し、10日に死亡した。マリでは可能性例として把握されている。

 2例目から4例目の3人は、聖職者からの直接的な感染例と考えられる。

 5例目と6例目は、57歳女性とその息子だ。5例目の女性は、4例目の男性との接触歴が確認されている。10月29日に発症、11月11日にパスツールクリニックとは別の医療施設に入院。12日に別の病院に転院したが、同じ日に死亡した。

 6例目となる彼女の息子は、11月5日に別の医療施設を受診。14日に自宅で死亡した。

聖職者の葬儀に数千人が出席か 

 WHOによると、マリでは集中的な接触者追跡調査が行われ、これまでに338人が把握された。そのうち90%に当たる303人が経過観察下にある。

 一方、聖職者の接触者追跡調査は、困難な状況にある。聖職者は死亡後、故郷の村に遺体が移され、10月28日に埋葬された。聖職者の葬儀には、数千人が出席した可能性があり、多くの人が伝統的な儀式として遺体に触れたと考えられている。これまでに約300人について、追跡調査を行っている段階だ。