エボラウイルス疾患(エボラ出血熱)の感染者が、WHOの緊急事態宣言以降も急増している。WHOの9月8日集計によると、9月5日時点で疑い例を含む患者総数が3944人と4000人に迫った。宣言が出た翌日の8月9日以降の患者数は2154人と全体の54.6%に上っており、国際的な支援を強化しなければならない事態となっている。

 累計死亡数は2097人で致死率は53.2%となっている。集計期間中の1日当たり新規患者数は51.8人と前回集計より半減したが、依然として高率となっている。

 患者総数を感染国別に見ると、リベリアが1871人(死亡1089人、致死率58.2%)と最も多くなっており、シエラレオネが1261人(死亡491人、致死率38.9%)、ギニアが812人(死亡517人、致死率63.7%)で続いている。

 リベリアからの旅行者が発症し死亡した事例を機に感染が確認されているナイジェリアでは、新たに1人が報告され、これで患者総数は22人となった(死亡8人、致死率36.4%)。

 ギニアで患者との接触歴がある男性が発症したセネガルでは、今のところ新たな患者は確認されていない。

図1 エボラ出血熱の流行状況(WHO発表データをもとに作成)

MSF、生物災害対応チームの動員を訴え

 こうした事態を受けて、国境なき医師団(MSF)では、国際社会に対しさらなる支援を訴えている。

 MSFの発表によると、インターナショナル会長のジョアンヌ・リュー氏は9月2日、ニューヨークで開催された国連とWHOの会合に出席あい、エボラウイルス疾患が流行しているアフリカ諸国に対して「国際的な支援が大幅に不足している」と指摘した。その上で、「生物災害への対応能力を持つ国々は、民間と軍に関わらず医療チームを即座に西アフリカに送る必要がある」と要請し、「専門医療ユニットの大規模展開なくしてはウイルスのさらなる蔓延は防げない」と訴えた。