RSウイルス感染症が急増している。大流行した昨年に匹敵する早い立ち上がりとなっており、自治体によっては昨年を上回るペースで増加している。全国の有志医師が参加する「RSウイルス・オンライン・サーベイ」の管理人を務める西藤成雄氏(西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニック、滋賀県守山市)は、「発熱・喘鳴を伴う乳幼児の来院の際には、RSウイルス感染を疑ってほしい」と警告を発している。

 呼吸器の感染症であるRSウイルス感染症は、Respiratory syncytial virus(RSV)が病原体で、年齢を問わず、生涯にわたって顕性感染を起こすという特徴がある。国立感染症研究所によると、「乳幼児期において非常に重要な病原体」と位置付けられている。母体からの移行抗体は存在するものの、生後数週から数カ月間にもっとも重症な症状を引き起こす。低出生体重児をはじめ、心肺系基礎疾患や免疫不全のある症例では重症化のリスクが高く、「臨床上、公衆衛生上のインパクトは大きい」と指摘されている。

 昨シーズンは全国の小児科定点医療機関から、10月初旬の週に過去10年で最も多い報告数(一週間当たり5007例)が報告された。今年も、昨年に匹敵するペースで増えており、小児科定点のデータをみると、37週(9月9〜15日)に全国平均で1.11人となった(図1)。

 最も多かったのは宮崎県で4.53人となっている。山口県が3.30人、鹿児島県が3.15人、福井県が3.09人、福岡県が2.70人、島根県が2.68人などで続いている。島根県など自治体によっては昨年を上回るペースで増えているところもあり、警戒が必要だ。

図1 今シーズンの流行状況(全国、小児科定点当たり)

■参考情報
RSウイルス・オンライン・サーベイ