昨年大流行したRSウイルス感染症は、今シーズンも早い立ち上がりを見せている。全国の小児科定点医療機関からの報告数(定点当たり届出数)をみると、九州や山陰地方などで流行が拡大しており、特に島根県や佐賀県などでは、昨シーズンを上回るペースで拡大している。

 RSウイルス感染症は呼吸器の感染症で、病原体であるRespiratory syncytial virus(RSV)は年齢を問わず、生涯にわたって顕性感染を起こすという特徴がある。国立感染症研究所によると、「乳幼児期において非常に重要な病原体」と位置付けられている。母体からの移行抗体は存在するものの、生後数週から数カ月間にもっとも重症な症状を引き起こす。低出生体重児をはじめ、心肺系基礎疾患や免疫不全のある症例では重症化のリスクが高く、「臨床上、公衆衛生上のインパクトは大きい」とされている。

 昨シーズンは、10月初旬の週に過去10年で最も多い報告数(一週間当たり5007例)が全国の小児科定点医療機関から報告された。

 今シーズンの流行状況(全国、定点当たり)をみると、26週から昨年を上回るペースで感染者が増加している(図1)。35週時点でみると、地域的には、宮崎県を筆頭に佐賀県福岡県鹿児島県など九州地方で流行が拡大している。特に宮崎県では、35週に3.31人と全国平均の5倍になっている(図2)。

図1 今シーズンの流行状況(全国、定点当たり)

図2 今シーズンの流行状況(宮崎県、定点当たり)

 また、島根県(図3)や佐賀県(図4)のように、大流行した昨年を上回るペースで増加している自治体もあり、今後の流行拡大に注視が必要だ。

図3 今シーズンの流行状況(島根県、定点当たり)

図4 今シーズンの流行状況(佐賀県、定点当たり)