平成25年6月に策定された新型インフルエンザ等対策政府行動計画(以下「政府行動計画」)、「新型インフルエンザ等対策ガイドライン(以下「ガイドライン」)において、医療機関における診療継続計画の策定及び地域における医療連携体制の整備が求められている。医療機関において診療継続計画を策定する際の参考となるよう、平成25年8月に大規模・中規模病院向けの手引きが、公開されたところである。本稿では、診療継続計画を作成する際の参考となるよう、医療機関における新型インフルエンザ等対策の概要につき解説したい。

平成21年新型インフルエンザ(A/H1N1)対応との相違を知る


 国は、平成21年の新型インフルエンザ対策の経験等を踏まえ、平成23年9月に「新型インフルエンザ対策行動計画」を改定、また、平成25年4月の新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」)の施行後、同年6月に政府行動計画、ガイドラインを策定した。

 平成23年の行動計画改定の際には、(1)病原性・感染力の程度等に応じ、柔軟に実施すべき対策を決定することができるよう変更、(2)行動計画の5つの段階のうち、「感染拡大期」「まん延期」「回復期」に小分類されていた「第三段階」が、「国内感染期」に統一、(3)地域(都道府県)レベルで「発生段階」を定める、(4)「発熱外来」から「帰国者・接触者外来」への名称変更等の種々の変更が行われている。

図1 平成23年の行動計画改定の際の変更点[クリックで拡大]

 さらに、特措法施行後、(1)行動計画は法に基づく政府行動計画に、(2)「新型インフルエンザ」に加え、全国的かつ急速なまん延のおそれのある「新感染症」も対象になる等の変更が行われている。

 なお、特措法は、新型インフルエンザ等が発生した際に、感染症法・医療法等の既存法を超える対応が必要となる場合の特別措置を規定したものであり、特措法のみで対策を行うわけではないことを理解する。

 新型インフルエンザ等対策を立案する際には、政府行動計画・ガイドラインを基本的に参照することとなるが、政府行動計画等は、発生した感染症の特性を踏まえ、病原性が低い場合等様々な状況に対応できるよう、対策の選択肢を示すものであり、記載されている事項がすべて実施されるわけではないことに留意する。

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