国立感染症研究所は7月16日、今冬の流行が危惧される鳥インフルエンザA(H7N9)患者を搬送する際の感染対策をまとめ、ホームページで公開した。搬送を担当する人が、「標準予防策・接触感染対策・飛沫感染対策・空気感染対策を必要に応じて適切に実施し、患者に対して過度な隔離対策をとらないように適切に判断すること」が基本的な考え方となっている。

 患者搬送における感染対策は、鳥インフルエンザA(H7N9)患者、搬送従事者、搬送に使用する車両、その他から構成される。

 搬送は、一般医療機関において、鳥インフルエンザA(H7N9)患者が確認された場合を想定している。

 例えば、鳥インフルエンザA(H7N9)患者(疑似症患者も含む)については、「気管挿管されている場合を除いて、患者にはサージカルマスクを着用させる」とした。呼吸管理下にある患者に対しては、「感染対策に十分な知識と経験のある医師が付き添う」としている。また、自力歩行が可能な患者については、「歩行を許可し、車いす、ストレッチャーを必要に応じて利用し車両などで搬送する」と明記した。搬送の際は、車両などの内部に触れないよう患者に指示をすることも盛り込んでいる。

 要となる搬送担当者については、自らが感染する危険があることに配慮、全員がサージカルマスクを着用するよう求めた。また、搬送中に患者のそばで観察や医療に当たる者については、湿性生体物質への暴露がありうるとし、眼の防御具(フェイスシールドまたはゴーグル)、手袋、ガウンなどの防護具を着用することとした。気管挿管や気道吸引の処置などエアロゾル発生の可能性がある場合には、空気感染対策としてN95マスクもしくは同等以上のレスピレーターを着用することも明記している。

 搬送に使う車両(船舶や航空機も含む)については、搬送従事者や患者がそれぞれ必要とされる感染対策を確実に実施している限り、患者搬送にアイソレーターを使う必要はないと言及した。また、患者収容部分と車両などの運転者や乗員の部位は仕切られている必要性はない、としつつも、可能な限り患者収容部分は独立した空間とすることを求めている。

 このほか、(1)搬送に当たっては患者家族等は車両に同乗させない。船舶や航空機の場合はケースバイケースで判断する、(2)搬送後に感染が明らかになった場合は、搬送時の感染対策が十分だったかどうかを検証する。その上で不十分だったと考えられる場合は最寄りの保健所に連絡したうえで、搬送従事者は「積極的疫学調査ガイドライン」等に従った健康管理を受ける、などが明示された。

 搬送時に準備する器材については一覧表(表1)にまとめている。

表1 患者搬送に必要な器材(注1)

■参考情報
鳥インフルエンザA(H7N9)患者搬送における感染対策(国立感染症研究所)