中国の鳥インフルエンザA(H7N9)感染の疫学的調査の結果が4月末、NEJM誌に掲載された。その中で、感染者の77%に鶏を含む生きた動物との接触歴があったこと、1251人の濃厚接触者にH7N9感染は確認されなかったことなどが明らかになった。

 サーベイランス調査によると、2013年3月25日から4月17日までの期間に、中国全土で原因不明の肺炎で入院した664人のうち、12.2%にあたる81人がH7N9インフルエンザウイルス感染と診断された。また、インフルエンザ様疾患で外来を受診した患者5551人のうち、H7N9陽性だったのは1人(0.02%)だけだった。

 筆者らは、この2つのサーベイランスで確認された計82人のH7N9感染者についての臨床学・疫学的解析を行った。その結果、患者背景は、年齢の中央値は63歳(2-89歳)で73%が男性、84%が都市の住民だった。居住地域別にみると、上海市(確認例31人、疑い例1人)、浙江省(確認例25人)、江蘇省(確認例20人、疑い例1人)、安徽省(確認例3人)、河南省(同2人)、北京市(同1人)となっていた。

 情報が得られた77人の患者背景を調べたところ、4人は家禽類を扱う仕事をしていた。また77%は鶏(76%)を含む生きた動物との接触歴があった。17人(21%)の患者が死亡し、発症から死亡までの日数(中央値)は11日だった。タミフルによる治療を受けていたのは、情報が確認できた64例中41例(64%)だった。ただし、発症からタミフルによる治療開始までの日数は中央値で6.0日(4.0-8.0)となっており、早期治療が行われていないことが重症化につながっている可能性が示唆された。

 なお、生存している60人のうち、4人は軽症例ですでに退院していた。1人の小児例は、入院加療はしていなかった。

 2つの家族クラスターがあったが、ヒト-ヒト感染であるとは確認されていない。また、1689人の濃厚接触者のうち、1251人は追跡調査が可能であったが、呼吸器疾患の症状を認めたのは19人で、いずれもH7N9ウイルスの検査結果は陰性だった。


■参考文献
・Preliminary Report: Epidemiology of the Avian Influenza A (H7N9) Outbreak in China.Qun Li, et al.The New England Journal of Medicine, April 24, 2013.