新型インフルエンザ等対策特別措置法が5月11日に公布されたのを機に、来春までの措置法施行に向けた国の体制づくりが本格化している。8月7日には第1回の新型インフルエンザ等対策有識者会議が開催され、その平時あるいは発生時の役割が明確化された。

 国が初めて新型インフルエンザ対策行動計画をまとめたのは2005年12月にさかのぼる。WHOが示した世界インフルエンザ事前対策計画に準じたもので、その後部分的な改定を経て、2009年2月には抜本的な改定を行った。その年、A/H1N1pdm09による新型インフルエンザが発生。基本的には、2009年2月改定行動計画に沿った対策が実行されたが、病原性の高い新型インフルエンザ発生に備えたものであったがために、実際の現場での運用や病原性が低い場合の対応という面で多くの教訓を残したのも事実だった。

 こうした反省を踏まえ、2011年9月に改めて新型インフルエンザ対策行動計画を策定。これに盛り込まれた新型インフルエンザ対策の実効性を確保することと、各種対策の法的根拠を明確化することなどを目的に、新型インフルエンザ等対策特別措置法案が3月に国会に提出され、4月に成立、5月の公布となった。

 措置法の施行は公布から1年を超えない範囲と定められており、来春には実施となる見込み。

 この施行までに、国では、都道府県担当課長会議の開催(6月に実施済み)、新型インフルエンザ等対策有識者会議の設置、有識者会議の中間まとめが予定されている。

 新型インフルエンザ等対策有識者会議については、8月3日の閣議で設置が決まり、8月7日に第1回会議が開催となった。

 注目すべきはその役割だが、平時には、新型インフルエンザ等対策閣僚会議が政府の行動計画を作成する際に、その行動計画案に対して意見を取りまとめるのが任務となっている。第1回会議では会議の長に独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構理事長の尾身茂氏が選ばれた。メンバーは26人で、川崎市衛生研究所長の岡部信彦氏、国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長の田代眞人氏、防衛医科大学校内科学講座2(感染症・呼吸器)教授の川名明彦氏、東京大学医科学研究所感染症国際研究センター長の河岡義裕氏らが名を連ねている。

 有識者会議では医療・公衆衛生に関する分科会(会議の長;岡部信彦氏)と社会機能に関する分科会(会議の長;日本学術会議会長・東京大学大学院工学系研究科教授の大西隆氏)を置き、 それぞれの分野で意見のとりまとめをする。

 一方、新型発生時には、政府が設置する新型インフルエンザ等対策本部が基本的対処方針を定める際に、学識経験者の意見を聴くこととされており、有識者会議のメンバーから選ばれた9人で構成する基本的対処方針等諮問委員会(会議の長;尾身茂氏)がその任にあたることになる。

■参考情報
新型インフルエンザ等対策特別措置法について(内閣官房新型インフルエンザ等対策室)