WHOは7月6日、インドネシアで新たに鳥インフルエンザH5N1ウイルスのヒト感染例が確認されたことを発表した。患者は8歳女児で、治療を受けていたが7月3日に死亡した。同国での感染確認例は190人目で、うち死亡は158人、累積致死率は83.2%となった。今回の事例の感染経路としては、生鳥市場での家きん類との接触が疑われている。

 患児はWest Java在住で、6月18日に発熱があったが、シンガポールへの旅行へ出かけていた。同月20日、シンガポールで医療施設を受診したところ咽頭炎などと診断されていた。その後ジャカルタに戻ってからも体調が優れず、咳が続いて、食欲がなく、嘔吐もあったという。

 心配した家族が地域の病院に連れて行ったが、症状は悪化、集中治療を受けたが7月3日に死亡した。

 疫学的調査によると、父親が生きたニワトリを買いに市場に出かけた際、患児も同行しており、その際、家きん類との接触があった模様だ。詳細は分かっていない。

 これまでは、感染経路として病気あるいは死んだ家きん類との接触が疑われる事例が多かったが、今回のように生鳥市場での接触が疑われる事例も目立ってきている。専門家によると、インドネシアでは家きん類へのワクチン接種が行われており、これが感染した家きん類を見つけにくくしている可能性が高い。予防対策としては、まず生鳥市場や養鶏場にむやみに近寄らないことを徹底したいものだ。

 鳥インフルエンザH5N1ウイルスのヒト感染例は、WHOが確認している事例で607人となった。そのうち358人が死亡している。全体の致死率は59.0%。国別では、100人以上の患者が確認されているエジプト、インドネシア、ベトナムでは、それぞれ35.7%、83.2%、49.6%であり、インドネシアが最も高くなっている。

 なお、2012年は全体で感染確認例は29人、そのうち死亡は18人となった。

図1 鳥インフルエンザH5N1ウイルスのヒト感染例(WHOのデータより作成)

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