琉球大学大学院の伊波義一氏

 沖縄県では、ほぼ毎年3月から6月にかけてインフルエンザB型が流行していることが報告された。沖縄県那覇地区におけるインフルエンザ抗原検査サーベイランスの解析から明らかになった。琉球大学大学院の伊波義一氏らが、4月に長崎で開催された日本感染症学会で発表した。

 演者らは、インフルエンザB型の流行様式について検討した報告が少ないことから、B型に着目し今回の検討を行った。

 対象としたデータは、2007年1月から2012年にかけて、沖縄県那覇市近郊の4つの救急指定病院で実施され、那覇市医師会生活習慣病検診センター検査部で集計されたインフルエンザウイルス抗原迅速検査の結果。那覇市の人口は沖縄県全体の20%ほどで、人口構成は沖縄県全体とよく似ていることから、県全体を代表するものとして那覇市のデータを採用した。

 各年ごとの検査件数は、2007年が1万9229件、2008年が1万3089件、2009年が4万1962件、2010年が1万3825件、2011年が2万4468件、2012年1月〜3月が9617件だった。タイプ別では、それぞれA型が5149件、1881件、1万2741件、2508件、4128件、2399件と推移していた。一方、B型は629件、829件、1153件、107件、1940件、377件だった。

 年ごとに流行の推移を見たところ、B型にも周期性が確認され、その流行は3月から6月にかけてであった。一方、2009年のA/H1N1pdmの流行後、2010年にはインフルエンザA型、B型とも発生が少ないという結果だった。

 B型が流行したシーズンでは、0〜9歳、10〜19歳の年齢層で患者が目立つという特徴も明らかになった。この点について演者らは、「インフルエンザB型の流行は、乳幼児、児童、学生など若い世代を中心に起こっていると考えられる」と考察した。

 なお、3月から6月に流行というパターンの原因を探るため、気象条件との関連性も検討したが、気温や相対湿度などとB型流行との間に有意な相関は認めなかった。

 沖縄県では、夏場にかけてインフルエンザの流行が見られることが続いていた。なぜ夏場にかけてなのかの原因究明はこれからだが、伊波氏らの研究成果は、その一歩となるものと言える。