2012年に入ってから、鳥インフルエンザウイルスH5N1のヒト感染例が相次いでいる。WHOによると、3月5日にベトナムで1例、3月7日にバングラディッシュで2例、新たな患者が確認され、今年の報告症例は16例目となった。

 ベトナムの患者は、22歳男性(Binh Duongで勤務)。2月17日に症状が現れ、21日に診療を受けた。23日には熱帯病病院のICUに入院し、タミフルによる治療を受けた。現在も入院中だという。

 感染経路としては、アヒルを処理し食べていたこととの関連が疑われているようだ。濃厚接触者で熱のある人については、予防投与が行われ医療監視下に入った。PCRによる検査では、全員がH5N1陰性だったという。

 ベトナムでは昨年、感染例は皆無だった。しかし、2012年になりすでに3例目となった。うち死亡例は2例。WHOが統計をとり始めてからは122例(死亡61、致死率50%)となった。

 一方、バングラディッシュの患者は、26歳と18歳の男性。この2例は、ダッカ市における生きた鳥を扱う市場のサーベイランスによって確認された。2例とも咳の症状があったことが分かっているが、すでに症状は回復している。

 同国では2008年に1例目が確認されて以降、2011年に2例が確認されている。今年に入り、2月に1例、さらに今回の2例が加わり、計6例目となった。死亡はゼロとなっている。

図1 鳥インフルエンザのヒト感染例と累積致死率の推移(WHOのデータより作成)