図1 マスク着用とうがい、手洗いの遵守率の関係(伊藤氏らの発表から)

 2009年に発生した新型インフルエンザの流行時に、マスクの着用ができていた看護学生は、できていなかった学生に比べ、うがいや手洗いなどの遵守率が高かったことが示された。看護大学の学生を対象に行った調査で明らかになったもので、東広島医療センターの伊藤美紀氏らが、2月に福岡で開催された日本環境感染症学会で発表した。

 演者らは、看護学生のインフルエンザ感染予防の知識、予防方法・行動に関する認知率あるいは遵守率を調べ、統計ソフト(SPSSVer.18)を用いて、インフルエンザの罹患者・非罹患者別、予防行動別に比較検討した。調査期間は2010年7月から10月だった。

 調査では質問紙を看護学生370人に配布。調査期間中に258人から回答を得た(有効回答率62.1%)。

 マスク着用とうがい、あるいは手洗い(手指衛生)について解析したところ、マスク着用ができていた群は、そうでない群に比べて、うがい、手指衛生が十分にできていることが明らかになった。

 例えば、うがいでは、マスク着用ができていた群(135人)で、うがいが遵守できていたのは121人、遵守できていなかったのは14人だった。一方、マスク着用ができていなかった群(55人)では、うがいが遵守できていたのは36人、できていなかったのは19人だった。

 また、手指衛生では、マスク着用ができていた群(84人)で、手指衛生が十分(セッケンで15秒以上)だったのは82人、手をぬらす程度だったのは2人だった。一方、マスク着用ができていなかった群(29人)では、セッケンで15秒以上だったのは24人、手をぬらす程度だったのは5人だった。

 演者らはこの結果から「マスク着用者にあっては、うがいも手指衛生も十分に実践できている」と結論。インフルエンザの感染予防行動の実践を普及していくためには、「マスク着用の教育が重要」と指摘した。