東京小児科医会会長の松平隆光氏

 今シーズンの季節性インフルエンザワクチンにおいて、一部銘柄の供給がずれ込んだことで、医療現場に動揺が広がっている。東京小児科医会会長の松平隆光氏は、「この事態は、2009年に発生した新型インフルエンザのパンデミック時に似ている」と懸念する。一部銘柄の供給量と時期が見通せないことから、すでに始まっているワクチン接種の予約を一時中止するなど、対応に追われる医療機関も出ている。また、ワクチン供給不足への不安からか、接種希望者の問い合わせも目立ってきており、業務に支障をきたす医療機関もあるほどだという。

 9月29日に厚生労働省で開かれた第1回新型インフルエンザワクチンの流通改善に関する検討会(座長;庵原俊昭・国立病院機構三重病院院長)の席で、対策の必要性を訴えた。

 松平氏によると「供給がずれ込んだ銘柄を使ってきた医療機関には、まったくワクチンが入らない」という事態になっている。厚生労働省が指導する地域での供給融通は、まだ実現していない。

 厚生労働省によると、供給予定時期と供給数量(1mL換算)は、全国で9月下旬に770万本、10月上旬に640万本、10月下旬に486万本、11月上旬に397万本、11月中旬に165万本、12月上旬に242万本となっている。8月に行った同省調査では、接種希望者は全国で1800万本相当であり、10月下旬までに供給可能な量ですべてまかなえる水準にある。

 供給不安を払拭するためにも、地域単位で関係者が一堂に会し協議する場が必要ではないだろうか。

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