年齢層ごとに使用状況を見ると、9歳以下はオセルタミビルの使用が多く、10代ではザナミビル、20〜59歳はラニナミビルの使用頻度が高かった(図2)。

図2 各年齢層における抗インフルエンザ薬の使用状況

 また、平均解熱時間から判定したノイラミニダーゼ阻害薬の有効性は4剤間で大きな差はなかったが、患者の年齢層やウイルスの型・亜型によって、有効性が若干異なっていた。型・亜型別では、全般的にH1N1が最も解熱時間が短く、次いでH3N2、B型の順だった。ただし、ザナミビルによる治療群は、3つの亜型で大きな差が見られなかった(図3)。ウイルスの型・亜型による有効性の差異は、ウイルス残存率でも認められた。

図3 ノイラミニダーゼ阻害薬の亜型別の平均解熱時間

 こうした解熱時間やウイルス残存率は、in vitroにおけるIC50(ノイラミニダーゼの50%阻害濃度)と必ずしも一致していなかった。これについて河合氏は、「ノイラミニダーゼ阻害薬の効果は、IC50だけでなく、作用部位の組織内濃度や生体側の免疫性の良否なども影響しているのではないか」と語った。

 河合氏は「ノイラミニダーゼ阻害薬によって、年齢、亜型により有効性が若干異なる可能性もあり、今後、さらに検討したい。抗インフルエンザ薬をうまく使い分けることは、今後の臨床現場におけるインフルエンザ診療に大きなメリットをもたらすと考えられる」と語った。