各都道府県がまとめているインフルエンザ定点当たり届出数によると、19週(5月9日〜15日)は全国の都道府県で患者数が減少し、注意報レベルの目安とされる「10人」を超えたのは沖縄県だけとなった(図1)。

 19週の全国平均は1.97人で、3週連続の減少となった。最も多かったのは沖縄県で15.38人と、依然として高い水準にある。以下、佐賀県が7.38人、宮崎県が5.90人、長崎県が5.86人、福井県が5.41人などと続いている。

 沖縄県では近年、夏季の流行が続いている。これまでも散発的に、北海道や東北、宮崎や鹿児島などから報告されたことがあるが、沖縄県は定着してきた感もあり事情が異なる。

 沖縄県の夏の流行の原因については、雨季と乾季にあわせ流行するという東南アジア型の流行と似てるたことから、温暖化の影響とみる説がある。一方で、「クーラーの影響」を指摘する向きもある。しかし、クーラーの普及と夏場の流行の始まりが合致しているかは疑問で、いまだに「分からない」というのが正直なところだ。「クーラーの影響」という点では、今夏は節電の取り組みが進み、扇風機が冷房の主役に躍り出ようとしている。「換気」がインフルエンザ流行を抑えるのにどれほど効果があるのか、今夏は検討を深めるチャンスとも言える。

 一方で、迅速診断キットの普及により検出精度が上がったため、流行を把握しやすくなったとの指摘もある。確かに、診断技術の向上とその普及は、検出力を高めたに違いない。これまで見えなかった流行が、見えるようになったということだけかもしれない。

 沖縄県衛生環境研究所はかつて、「インフルエンザは冬にだけ流行するという認識を改め、年間を通して監視をすることが重要」と指摘していた。夏季流行株と冬季流行株の比較から、夏季流行株は次のシーズン冬季の流行株の主流となる可能性があるからだ。

 夏季流行の原因を探ることは重要だ。もちろん、今夏への備えは忘れてはならない。

図1 インフルエンザの流行状況(沖縄県と全国平均の定点当たり届出数の推移)