インフルエンザによる学級閉鎖は、いつ開始し、どれだけの期間継続すべきなのか――。これに対し、同一クラスの罹患者が10%を超える前に実施し、閉鎖の持続期間は「4日間」とすることが望ましいとする研究成果が報告された。日本臨床内科医会廣津伸夫氏(廣津医院院長、川崎市)らがインフルエンザの伝播モデルを作成し、学級閉鎖シミュレーションを行い明らかになった。4月に東京で開催された日本感染症学会で発表した。

 廣津氏らは塩野義製薬解析センターの長谷川貴大氏らの協力のもと、2003〜2004年の小学校6校と2009〜2010年の小学校2校のそれぞれにおけるインフルエンザ流行の観察データをもとに、ウイルスの伝播能力、潜伏期間、抗体保有率、接触確率などのインフルエンザ伝播に影響を与える因子を想定し、学校におけるインフルエンザウイルス伝播モデルを構築した。

 このモデルを使い学校閉鎖シミュレーションを行ったところ、実際の発症者数の推移や罹患率と同様の結果がシミュレーションでも得られることが確認されたという。

 その上で、学級単位での閉鎖についてもシミュレーションを行った。具体的には、学級の罹患率が0.4%、3.2%、6.3%、10.9%、18.4%、27.0%のそれぞれの時点で学級閉鎖に踏み切り、4日間持続した場合を想定した。その結果、最終罹患率はそれぞれ12.2%、23.5%、31.8%、46.6%、56.4%、75.2%となった。閉鎖開始時に10%を超える罹患率だった場合、4日間閉鎖しても46〜75%の最終罹患率になることから、演者らは「同一クラスで罹患者が10%を超える前に学級閉鎖を実施し、閉鎖の持続期間は4日間とすることが望ましい」と結論した。

 廣津氏らは、インフルエンザウイルス伝播モデルの精度を向上させるため、今後も調査対象校を増やすなど検討を重ねる意向だ。