国立感染症研究所感染症情報センターは3月22日、ホームページ上で「被災地におけるインフルエンザの予防対策について」を公開した。

 被災地におけるインフルエンザ予防策では、「個人で行う予防対策」「抗インフルエンザウイルス薬による治療と予防」「被災地の方々に対するインフルエンザワクチン接種について」「被災地に入られる方へ」の4点を挙げている。

 「個人で行う予防対策」では、咳エチケットの重要性を強調。咳やくしゃみが出る場合は、マスクの着用を求めるとともに、マスクがなければティッシュなどで口と鼻を押さえること、他の人から顔をそむけて1m以上離れることなどを求めている。鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨てることも指摘している。

 また、「マスクが枯渇しているところも多いと思われる」とし、そのような時は「発熱や咳などの症状がある方に優先的にマスクを装着していただくようにしてはいかがでしょうか」と呼びかけた。

 「抗インフルエンザウイルス薬による治療と予防」では、「インフルエンザ発病者の治療を最優先することが重要」と訴え、「発病者を隔離することが理想」とも指摘した。ただし、「発病者の隔離は多くの場合は困難であろう」と避難所などの現状に配慮、「発病者とそれ以外の方との間隔をできるだけあけ、可能ならば間についたて等を置く」よう工夫すべきとした。その上で、「抗インフルエンザ薬(タミフル・リレンザなど)が入手できるようであれば、発症が疑われる段階で速やかに抗インフルエンザウイルス薬による治療を行って」と求めている。

 3点目の「被災地の方々に対するインフルエンザワクチン接種について」では、「避難所で生活しておられる人々に接種を行うということは、現時点では困難であり、優先的な対策ではない」との判断を示した。また、ワクチンの接種後に効果が現れるまでには2週間以上を要することから、「今の段階では、ワクチンによる予防より治療とワクチン以外の方法での予防が優先である」としている。ただ、インフルエンザを発病すると重症化するリスクが高い人については、医師と相談の上で個別にワクチン接種するのはこれまでと同様とした。

 最後の「被災地に入られる方へ」については、「できる限りインフルエンザウイルスを持ちこまないよう」配慮することを求めた。加えて、「避難所に入られる場合は念のためにマスクを着用し、咳エチケットに努めて」と呼びかけている。


■参考情報
被災地におけるインフルエンザの予防対策について