東北大学大学院医学系研究科は3月22日、仙台市とその周辺でのインフルエンザウイルス検出状況を発表した。それによると、震災後もインフルエンザの流行が継続していることが確認された。A香港型H3N2)を中心とする流行と考えられ「今後、避難所を中心として厳重な警戒が必要である」と警告している。

 今回の検出対象は、仙台市およびその周辺から採取された59件の検体(咽頭や鼻咽頭ぬぐい液、インフルエンザ迅速診断キット残液など)。A型インフルエンザ(H3N2、H1N1pdm)の検出および判別は、Conventional RT-PCRにより行った。

 「採取された検体は適切な輸送培地中で輸送できたものが少なかった」という困難な状況下での検出だったが、合計で21件の検体がPCRで陽性となったという。内訳は、H3N2が19件、H1N1pdmが2件だった。

 また、仙台市救急医療事業団・中川洋氏らの尽力で、仙台市急患センターでの迅速診断の結果も明らかになった。それによると、震災後の3月12日から21日までの10日間に仙台市急患センターを受診者した成人および小児の1180例中、335例(28.3%)にインフルエンザウイルスの迅速診断が行われた。このうち107例(31.9%)がA型インフルエンザ陽性、5例(1.5%)がB型インフルエンザ陽性だった。

 発表では「被災地の避難所では多くの人が狭い空間で暮らしており、手洗いなども十分にできず、インフルエンザの流行が起きやすい環境である」と指摘。その上で、H3N2が流行の中心となっていると考えられることから、「H3N2は高齢者を中心に重症化する例が多くみられるウイルスであり厳重な警戒が必要」と訴えている。 

■参考情報
東北地方太平洋沖地震後の仙台市とその周辺でのインフルエンザウイルス検出状況