図1 H5N1鳥インフルエンザのヒト感染例(WHOのデータより作成)

 WHOは3月2日、インドネシアで、新たに鳥インフルエンザH5N1のヒト感染例が確認されたと発表した。

 患者は26歳女性(Karawang District在住)で、1月30日に症状が現れた。2月3日に入院しタミフルによる治療を受けたが、同月8日に死亡した。目の前で生きた家禽を処理するという伝統的な市場で家禽の肉を購入したことが分かっており、その際に感染した可能性が示唆されている。

 これで、インドネシアでは2005年以降、172例の確認例となった。うち142例が死亡している(致死率82.6%)。2011年に入ってからは1例目。世界全体では526例(うち死亡311例)で、2011年に入ってからは10例目(うち死亡5人)となった(図1)。

 気になる致死率だが、世界全体の累積致死率は59.1%と依然高い水準にある。インドネシアやカンボジアでは80%を超えている。その一方で、エジプトでは30%台で推移しており、全体を引き下げている。致死率の違いは各国の医療事情を反映していると考えられるが、ウイルス自体の変化の可能性もありうることから、今後も注視していく必要がある。