WHOのまとめによると、2010年に確認された高病原性鳥インフルエンザH5N1のヒト感染例は44件で、前年の73件から減少した。特徴的なのは、エジプトからの報告が多かったことに加え、累積死亡率が全体で59.4%と5年ぶりに60%を割ったことだ。

 年間の確定感染者数は、2006年の115件をピークに、2007年には88件、2008年に44件と減少した。2009年に73件と再び増加し拡大が懸念されたが、2010年は44件に落ち着いた(図1)。

図1 高病原性鳥インフルエンザH5N1のヒト感染例の推移(確定感染症例数と累積死亡率。WHOから)

 特徴としては、インドネシアにかわり、エジプトでの確認が目立っている点だ。エジプトからの報告件数は、2009年に39件となりインドネシアの21件を上回った。2010年も25件で、全体の半数以上を占めた。インドネシアは9件だった。

 気になる死亡率だが、累積死亡率の推移を見ると、全体では60%前後で推移してきたが、2010年は5年ぶりに60%を切り、59.4%となった。これは、エジプトの死亡率が低いことが影響している。一方のインドネシアでは、80%台で推移、2010年は82.5%となった。

 死亡率の低下は、高病原性鳥インフルエンザH5N1のヒトへの適応化を把握する上で、重要な指標の1つとされることから、今後も注視する必要がある。

■参考資料
Cumulative Number of Confirmed Human Cases of Avian Influenza A/(H5N1) Reported to WHO


☆ テーマサイト「パンデミックに挑む」では、最新情報をお届けする「パンデミック・アラートメール」を配信しています。登録はこちらからどうぞ。