今シーズンのインフルエンザ流行株は、A/H1N1pdmA香港型、それともB型か――。全国の先行指標として注目される沖縄県の状況をみると、最近はA香港型ウイルスの検出例が目立っている。

 ここ数年、夏の流行があった沖縄県だが、2010年の夏はほとんど流行はみられなかった。定点当たりの届出数をみると、28週(7月12日から18日)に1.17人となり流行の目安とされる1人を超え、翌29週(7月19日から25日)も1.05人と続いた。しかし、その後は0.5〜0.8人で推移し、40週(10月4日から10日)に1.16人と再び1人を超えたものの、41週(10月11日から17日)は0.97人と減少している(図1)。

図1 沖縄県のインフルエンザウイルスの検出状況

 この間のウイルスの検出状況をみると、7月後半から8月にかけてはB型が目立っていた。9月に入ってからは、B型の報告が途絶え、入れ替わりにA香港型が増えてきている。特に36週(9月6日から12日)に9件の報告があり、A香港型の増加を印象付けている。一方のA/H1N1pdmは、8月以降検出例が続き、9月、10月と漸増傾向が見られている(図1)。34週以降、A香港型が連続して検出されている一方、A/H1N1pdmは検出例がゼロの週もあり、最近は総じてA香港型ウイルスの検出例が目立っている。

 全国的には、国立感染症研究所・感染症情報センターのインフルエンザウイルス分離・検出状況によると、28週以降、A香港型の報告数がA/H1N1pdmを上回っている。36週から40週に限ると、10月14日現在、A/H1N1pdmが10都県から44件、A香港型が16都府県から62件、B型はビクトリア系統株が2県から3件、系統不明株が千葉県から1件報告されている。

 インフルエンザのシーズンを前に、専門家の間では今シーズンの流行株に対する見方が分かれている。南半球で優位だったA/H1N1pdmが主流とする説、隔年流行のパターンを示すB型の当たり年との見方、中国などで広がりを見せているA香港型に留意すべきとの指摘等と諸説あり、予想は例年以上に難しい。A/H1N1pdmが季節化していく過程にあっては、これまでの流行パターンは大きく影響を受けると思われる。インフルエンザのサーベイランス情報には、これまで以上に敏感であるべきだろう。

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