新型インフルエンザの概要が報告された。欧州感染症週報Erosurveillance)によると、2009年4月から2010年3月12日までの死亡例は440人だった。季節性インフルエンザとは異なり、比較的若い人で目立ったのが特徴の1つだった。また、77%もが基礎疾患のある人だったことも明らかになった。

 死亡した440例の85%は、比較的若い成人だった(年齢の中央値は43歳)。これは、季節性インフルエンザとは異なる現象だった。また、データの解析が可能だった308例についてみたところ、77%が重症化しやすいとされる基礎疾患を持っていた。

 一方、感染者ベースの推定致死率を検討したところ、65歳以上では1000例中9.3例(範囲3.3-25.6)となった。これに対し、6カ月から64歳までの推定致死率は、1000例中0.4例(範囲0.2-0.9)に留まっていた。つまり、感染者が若い世代に多く65歳以上の高齢者で少なかったため、死亡例の大半を若い世代が占めていたことになる。

 65歳以上の場合、基礎疾患のある群とない群で比較したところ、基礎疾患のある群(1000例中14.8例)がない群(同1.5)に比べて9.8倍も致死率が高かった。一方、6カ月から64歳までの年齢層では、基礎疾患のある群(同2.2)はない群(同0.1)にくらべ17.9倍も致死率が高いことが分かった。この年齢層では、人口ベースでみると、慢性神経系疾患(24%)、免疫抑制状態(16%)、呼吸器系疾患(15%)などとなっている。

 報告した英健康保護局感染症センターのR.G.Pebody氏らは、高齢であること、あるいは基礎疾患があることが新型インフルエンザの重症化の危険因子であるとし、こうした対象に対する対策を重点的に行うことが重要とまとめている。

■参考文献
・Eurosurveillance, Volume 15, Issue 20, 20 May 2010
Research articles;Pandemic Influenza A (H1N1) 2009 and mortality in the United Kingdom: risk factors for death, April 2009 to March 201