新型インフルエンザ流行期の外来初診患者数は、前年同時期に比べ最大で約2倍と増加していたことが報告された。発熱患者の割合が増大し外来診療に負荷がかかる中、新型インフルエンザ以外の発熱性疾患で診断が遅れる事例も少ないながら認めたという。東海大学医学部総合内科上田晃弘氏らが、日本感染症学会で発表。新型インフルエンザ流行期では、ほかの発熱性疾患との鑑別に注意する必要があることを訴えた。

 上田氏らは新型インフルエンザの流行が外来診療に及ぼす影響を明らかにするため、総合内科外来の受診状況を後ろ向きに調査した。対象期間は、2009年9月1日から12月31日(第36週から53週)。東海大学医学部附属病院総合内科を診療時間内に初診、あるいは予約外として受診した患者について、初診時の主訴、初診時の発熱の有無、担当医師の診断などについて、初診時予約票および診療録を用い調査を行った。

 その結果、対照期間内に総合内科外来を受診したのは、のべ1402人で、そのうち発熱患者は498人だった。受診者数は、前年同期間に比べて、平均で112%、最大で187%と増加していた。また、全受診者に占める発熱患者の割合は36.3%となり、第39週には48%に上った。前年同期間の発熱患者の割合は14.7%であり、発熱患者数の増加が顕著だった。

 発熱患者498人のうち、新型インフルエンザを診断されたのは126例と最も多かった。感冒が123例、咽頭炎27例などで続いた。

 新型インフルエンザ以外の発熱性疾患で診断が遅れる事例も3例ほど確認された。例えば、38.6℃の発熱と関節痛の初期症状を示した57歳男性は、最終的に腎盂腎炎と診断された。診断に要した日数は1日だった。このほかA群β溶連菌性咽頭炎(29歳男性、39.0℃の発熱、悪寒、咽頭痛)では2日、伝染性単核症(22歳男性、38.9℃の発熱、咽頭痛、痰)では5日、それぞれ診断まで時間がかかっていた。

 これらの結果から演者らは、「新型インフルエンザ流行期には発熱患者の割合が増大するため外来診療に負荷がかかっていた」と結論。少数ながら新型インフルエンザ以外の発熱性疾患で診断が遅れる事例もみられたことから、「ほかの発熱性疾患との鑑別に注意する必要がある」と注意を促した。