新型インフルエンザの初期対応について、現場がどのように評価しているのか。その一端が見えてきた。2009年8月14日を基点に全国510カ所の保健所を対象に行われたアンケート調査によると、保健所の保健師の人数は「対応に十分ではなかった」と回答したところが66%に上った。また、医師の人数も「対応に十分ではなかった」とする回答が63%と高かった。

 調査は、厚生労働科学研究費補助金事業である「新型インフルエンザA(H1N1)への公衆衛生対応に関する評価及び提言に関する研究」の分担研究(研究分担者;茨城県筑西保健所の緒方剛氏)として行われた。今年の2月になって、「新型インフルエンザの初期対応の評価と提言」という報告書にまとまったばかりだ。

 調査は、保健所長あるいは保健所担当者を対象とした「保健所に対するアンケート調査」と都道府県や政令指定都市などの感染症担当課を対象とした「都道府県等本庁に対するアンケート調査」の2本だてで行われた。ここでは、保健所に対するアンケート調査の結果を取り上げる。

 調査は、2009年8月14日から9月末まで実施された。最終的には、65%程度の回答率となった。調査時期がインフルエンザの定点当たり届出数が1人を超え、全国的な流行に入った時期に重なったため、6割ほどの回答率に留まったとも考えられる。

 注目したのは保健所の人員について。初期対応においては、現場の人員が適切だったかどうかが、その後の結果に大きな影響を及ぼすからだ。

 結果は、今回の保健所の回答は、まず保健師については、「十分ではなかった」「どちらかといえば十分でなかった」の合計が66%と高いものだった。また、医師の人員についても、「十分ではなかった」「どちらかといえば十分でなかった」の合計が63%に上った。

 また寄せられた自由意見には、「職員はよく努力した」との意見もある一方で、「保健所の人員や保健所の医師が不足し、負担が大きかった」などの意見があった。

 報告書は保健所の初期対応の教訓と提言をまとめているが、1項目として人員不足も取り上げた。その中で、「保健師、医師は過半数の保健所で不足し負担が大きかった」と結論。医師や保健師については、「ほかの機関からの応援による確保は容易ではない」とし、「必要な人員数を確保すべき」と訴えている。

 なお、報告書「新型インフルエンザの初期対応の評価と提言」は、全国保健所長会の新型インフルエンザ対策のページ(http://www.phcd.jp/shiryo/shin_influ.html)に掲載されている。